#122 相続対策としての生命保険の活用
生命保険の中でも、被保険者が亡くなったときに受取人に死亡保険金が支払われる終身保険は、相続対策としてよく活用されています
弊所においても、様々な相続対策の準備手段として、生命保険の活用を提案することがあります
そこで今回は、相続対策としての生命保険について簡単に解説したいと思います
生命保険による相続対策の最大のメリットは、死亡保険金の非課税枠が使えるということでしょう
被相続人の死亡による死亡保険金は、その保険料を被相続人が負担していた場合には相続財産とみなされ、相続税の課税対象になります(保険金にかかわる課税関係については、ここでのご説明は省略させて頂きますが、とても重要な事項ですので、きちんと専門家に確認することをお勧めします)
しかし、受取人が相続人であれば、「500万円×法定相続人の数」を上限として非課税で保険金を受け取ることができます。たとえば、妻と子2人の計3人が相続人である場合、1500万円の非課税限度額を超えた部分に相続税が課税される計算になります
預貯金などを相続した場合には基礎控除を受けられるだけですが、死亡保険金の非課税枠を合わせて使えば相続税の節税が可能です
生命保険による相続対策は、相続後に早期に現金を受け取れることにもメリットがあります
預貯金であれば基本的には遺産分割協議の成立後に相続手続を経ることで利用することが可能になりますが、保険金の場合は特段の事情がなければ早期に現金として受け取れるため、葬儀費用の支払いや相続税の納税資金に充当するなど、比較的早期に支払が必要になる支出の原資に充てやすいことが挙げられます。また、保険金は受取人の固有の財産に該当するため、基本的には遺産分割協議の対象にはならないことから、他の相続人への代償金や遺留分侵害請求に対する支払原資として当てにすることもできるでしょう
このように活用次第でメリットの多い生命保険ですが、保険金を受け取った人の財産が膨らむ可能性があるため、二次相続時も保険の非課税枠を活用した相続対策を考えておく必要があります。また、保険料負担者・被保険者・受取人などの保険内容によっては、保険の非課税枠を使えなかったり、そもそも相続税の課税関係で整理されないものなどもありますので、注意が必要です
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