平成30年度の税制改正によってなにが変わった? その1

平成30年度の税制改正により、相続税や贈与税についての特例の条件が『緩和されたもの』『厳しくなったもの』『規制されたもの』があります

今回から2回にわたり、条件が変更となった6つの制度を取り上げ、変更点を簡単にまとめたいと思います

(1)家なき子特例の適用条件が厳しく

小規模宅地の特例は賃貸や社宅に住む推定相続人も対象となります。そのため推定相続人が(相続税対策として恣意的に)自宅を子や孫、会社名義に移転したとしても、特例を受けることは可能でした

平成30年度の税制改正により、

『相続開始前3年以内に3親等内の親族等が所有する家屋に居住したことがある者』、

『相続開始時において居住している家屋を過去に所有していたことがある者』、

については、家なき子特例の適用対象外となりました

(2)一般社団法人課税の見直し

一般社団法人は、設立が簡単な上、役員の人数や親族の割合の制限もありません。そしてその保有する財産は相続税の対象外となることから、これを利用して、役員を親族で固めて法人(つまり実質的には家族で完全に支配できている法人)に(相続税対策として恣意的に)財産を移転することで、相続税や贈与税の課税から結果として逃れることも可能ではありました

平成30年度の税制改正により、特定一般社団法人等(※1)に該当する場合には、当該社団法人に相続税が課税されることになりました

※1 相続開始直前の時点で、同族役員が全役員の2分の1超、または相続開始前の5年間で同族役員が全役員の2分の1を超えている状態が3年以上の一般社団法人

(3)農地等の納税猶予の特例見直し

生産緑地については、2022年の転用制限解除による宅地用土地の供給が過剰になることが問題視されています(2022年問題などと言われています)

これを受け、平成30年度の税制改正において、主に以下の点が変更になりました

●三大都市圏の特定市以外は、営農継続要件が20年から終身へ

●買取申出が10年先延ばしにできる特定生産緑地の範囲を拡大

●貸し付けされた生産緑地も納税猶予の対象へ

今回は、以上の3制度について変更点をご紹介しました。次回も平成30年度の税制改正による特例制度などの変更をお伝えします

この記事を担当した税理士

いわみ会計事務所

代表

岩見 文吾

保有資格

公認会計士・税理士・行政書士・FP

専門分野

相続・会計

経歴

いわみ会計事務所の代表を勤める。大手監査法人での勤務を経て、2013年にいわみ会計事務所を開業。会計監査業務のみならず、相続に関しても年間200件近くの相談に対応するベテラン。その他、相続に関する多数のセミナー講師も引き受けている。


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