#57 『住宅取得資金贈与制度』とは?

9/10の相続ニュースで、消費税増税後でも『住宅取得資金贈与制度』を活用すれば、住宅取得費用を抑えられることをご紹介しました

(詳しくは「#55 住宅資金贈与について」をご参照ください)

 

#55 『住宅取得資金贈与制度』について

 

しかし相続税対策上は住宅取得資金贈与制度を使わない方がよいケースも考えられます。今回は相続対策の視点から住宅取得資金贈与制度を検討したいと思います

 

「今は賃貸暮らしだが、親が亡くなった後、実家を相続する」と考えている人は多いのではないでしょうか

この場合、住宅取得資金贈与制度を活用するのは慎重になった方がよいかもしれません

 

被相続人である親の自宅を相続する場合、自宅の評価額を最大80%減額にできるという『小規模宅地の特例』という制度があります

たとえば、評価額1億円の自宅敷地について、80%が減額された2000万円で相続税評価額を算出する、なんてこともありえます。そうなれば相続税そのものがかからなくなる可能性も出てきます(もちろんどんな場合でも小規模宅地の特例が使えるわけではありません。一定期間被相続人である親の自宅に同居しているなど一定の適用要件があります)

 

住宅取得資金贈与制度と小規模宅地の特例のどちらを活用した方が節税になるのか、ここで趣味レーションしてみましょう

被相続人である父親が持つ財産は、相続税評価額で1億円相当の自宅と預貯金3000万円。妻は亡くなっており、相続人は子1人とします

 

たとえば、父親が生前、子どもに住宅取得資金贈与制度を使って3000万円を贈与したとします
この場合、1億円相当の自宅のみが相続税の課税対象となり、相続税は1220万円です

 

一方、子どもが親の自宅に同居をしていたとします。この場合、自宅の相続に関しては小規模
宅地の特例の適用要件を満たしていたとすると、1億円相当の自宅の評価額は2000万円となります。預貯金を加えた課税対象額は5000万円となり、相続税は160万円です。つまり、小規模宅地の特例を活用した方が1000万円以上も節税できる可能性があるのです

 

間違えるべきでないのは、今後のライフプランの選択肢次第で、結果としての税額が変動する、ということです。相続税対策の観点からは、将来的に実家を相続してそこで暮らす意向なのか、資金贈与を受けて自宅を建築・購入してそこで暮らす意向なのか、を早いうちから話し合い確認しておくことが重要です

この記事を担当した税理士

いわみ会計事務所

代表

岩見 文吾

保有資格

公認会計士・税理士・行政書士・FP

専門分野

相続・会計

経歴

いわみ会計事務所の代表を勤める。大手監査法人での勤務を経て、2013年にいわみ会計事務所を開業。会計監査業務のみならず、相続に関しても年間200件近くの相談に対応するベテラン。その他、相続に関する多数のセミナー講師も引き受けている。


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